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あたまのかたち外来

水曜日(第1・2・3週)の午後に行っています。初診の方は、必ず、事前に電話でご予約ください。
あたまのかたち外来では、斜頭や短頭(絶壁頭)など赤ちゃんの頭のゆがみに対して理学療法の指導(体位変換・タミータイム)やヘルメット治療を行い、頭の形を改善していきます。
当院(および関連施設)で出生された赤ちゃんは1か月健診において「頭の形が気になる」方で、実際に頭蓋計測にて頭のゆがみが認められた場合には、「あたまのかたち外来」にて引き続きフォローさせていただきます。
当院以外で出生された赤ちゃんも「頭の形が気になる」方は、随時、ご受診いただけます。ご相談だけでも結構ですので、お気軽にご連絡ください。

治療実績

2023年4月「あたまのかたち外来」開設から1年間で、
900人を超える赤ちゃんとそのご家族に寄り添い、
ヘルメット治療実績(治療中も含む)は約198人に達しました(2024年3月末時点)。

卒業までのヘルメット治療期間

平均:4.1か月(最短1.4か月-最長8.0か月)

改善率(斜頭)

2ランク以上改善:58/70 = 83%
1ランク以上改善:70/70 = 100%

ヘルメット治療での改善例

治療前

卒業時

約4か月のヘルメット治療での著明に改善

満足度

満足以上 99%(少し不満:1、少し満足:23、満足:46)

タミータイム指導のみで改善者数

84名

※外来開設2023年4月〜2024年3月まで

頭のゆがみ

頭のゆがみには「斜頭症」「短頭症(絶壁頭)」「長頭症」と3つのパターンがあります。これらの原因の多くは、寝ぐせ、子宮内や産道を通るときの圧迫など、病気ではない外力によります。寝ぐせでは頭を常に同じ位置に向けて寝るために接地面の成長が抑えられてしまい、成長に偏りが出ることで頭のゆがみが発生します。

斜頭症

斜頭症

平行四辺形に見え、耳の位置についても左右差が発生する場合があります。寝るときの向き癖や斜頭のある赤ちゃんに見られます。

短頭症

短頭症(絶壁頭)

あおむけ寝の時間が多い赤ちゃんに見られ、頭の前後の長さが通常より短いのが特徴です。

長頭症

長頭症

頭の前後の長さが横幅よりもあり、横向きの姿勢が多い赤ちゃんによく見られます。

基本的に脳の成長や精神発達に大きな影響を与えることはないと言われていますが、将来的に顔面や耳の左右差が発生し、噛み合わせ、視力、眼鏡がかけにくい等の問題が発生する可能性があります。

治療方法について

形を改善する方法には「体位変換」「タミータイム」の理学療法と「ヘルメット治療」がございます。重度のゆがみは、自然治癒が難しいという研究結果があります。

体位変換

【目的】
向き癖を改善することにより頭にかかる圧力を左右均等にすることが目的です。
下記のように向きが同一方向になっている際にはバランスよくなるように変えます。

【方法】
・寝る際の頭と足の方向
・抱っこする腕、授乳の際の方向
・話しかける方向
※うつ伏せ寝は呼吸ができなくなる可能性があるため、寝かせるときは必ず仰向け寝にします。

タミータイム

【目的】
赤ちゃんが起きているタイミングに、赤ちゃんをうつ伏せにして過ごす方法です。
頭、首、上半身の筋肉の発達を促進するため、一定箇所への圧力がかかることを防ぎます。

【方法】
お母さんの胸やお腹、膝の上に赤ちゃんをうつ伏せにすることから始め、
慣れてきたらおもちゃや絵本で興味を引き、うつ伏せ運動を行います。

※窒息を回避するため、固いマットや床の上で、必ず保護者がみている環境下にて行ってください。

ヘルメット治療

赤ちゃんに頭蓋形状矯正ヘルメットを装着し、頭の成長を調整する方法です。1998年に米国で初めて医療機器として承認され、日本では2018年に承認された治療法になります。
治療期間は、主に治療開始時の赤ちゃんの月齢によって異なります。(早く開始するほど、短い期間で終了できます)

あたまのかたち外来

当院では現在の赤ちゃんの月齢や頭蓋変形の重症度をふまえ、「理学療法(体位変換・タミータイム)」または「ヘルメット治療」のいずれが適切かを判断し、親御様の意向を確認のうえ治療をサポートいたします。

担当医師

吉田茂医師

小児科医吉田 茂

【略歴】
昭和62年 神戸大学医学部医学科 卒業/神戸大学医学部附属病院/兵庫県立こども病院/呉共済病院/神鋼病院/神鋼加古川病院小児科 医長/名古屋大学附属病院医療経営管理部 助教授/名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンター センター長/名古屋大学医学部附属病院 病院長補佐
【資格】
日本小児科学会認定専門医/出生前コンサルト小児科医/情報処理技術者資格(初級システムアドミニストレータ)

【メッセージ】
最近まで我が国の小児医療に関わる多くの医療関係者は、赤ちゃんの「あたまのかたち」に関心を寄せてきませんでした。一方、米国では20年以上前から、頭蓋形状矯正ヘルメットによる重度の頭蓋変形に対する積極的な治療や、タミータイムなどの理学療法の積極的な指導により、頭蓋変形を予防する取り組みがなされてきました。
近年、頭蓋形状矯正ヘルメットの国産化が進み、価格も比較的低下してきたこともあり、形成外科や脳神経外科で「あたまのかたち」を専門に診療する医療機関が主に首都圏を中心に急増しています。
東海地区の周産期医療の担い手である医療法人葵鐘会(エンジェルベルホスピタル)では、赤ちゃんの健やかな成長を見守りサポートする使命の一環として、赤ちゃんのプロである小児科医こそが、赤ちゃんの「あたまのかたち」にも取り組み、悩まれている方々へ治療の手を差し伸べることが必要であると考え、2023年4月から、「あたまのかたち外来」を開設しました。新生児期を含め赤ちゃんの診療経験が豊富な小児科専門医が複数体制で、赤ちゃんの「あたまのかたち」の改善に取り組みます。
また、当院(当グループ)の強みとして、診療をサポートするデータベースシステムを用いて、より科学的に治療効果を最大限に引き出し、赤ちゃんの「あたまのかたち」の改善に努めたいと考えています。

早川医師

小児科医早川 昌弘

【略歴】
昭和63年 三重大学医学部 卒業/愛知厚生連加茂病院/名古屋大学医学部附属病院/トヨタ記念病院/大垣市民病院 医長/名古屋大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター 病院教授、センター長/令和5年4月 医療法人葵鐘会 小児科顧問就任
【資格】
医学博士/日本専門医機構小児科専門医/出生前コンサルト小児科医/日本周産期・新生児医学会認定専門医/新生児蘇生法「専門」Aコースインストラクター

【メッセージ】
自分の専門分野は新生児医療であり、今までに数多くの赤ちゃんを診てきました。頭のかたちが歪んでいる赤ちゃんは以前から診ていましたが、それほど重要視はしていませんでした。今は早い時期から指導をすることで頭が歪むことを予防するようにしております。また、治療としてはタミータイム(うつ伏せ遊び)、ヘルメット治療をおこなっています。お子さんの頭のかたちが気になる場合は気軽に受診していただければと思います。

鶴岡医師

小児科医鶴岡 美幸

【略歴】
平成16年 愛媛大学医学部医学科 卒業/長崎大学大学院国際健康開発研究科 修了/WHO 西太平洋地域事務局/出口小児科医院/茅ケ崎市立病院/東京大学医学部附属病院/東京都立豊島病院
【資格】
日本小児科学会専門医

加藤義弘医師

小児科医加藤 義弘

【略歴】
平成元年 岐阜大学医学部医学科 卒業/岐阜大学医学部附属病院/徳洲会名古屋病院/国立循環器病センターレジデント(小児科)/岐阜大学大学院医学系研究科スポーツ医科学分野/岐阜医療科学大学保健科学部臨床検査学科 教授/岐阜医療科学大学保健科学部看護学科 教授 学科長/岐阜大学医学部附属病院 小児科 心臓外来(非常勤)
【資格】
医学博士/新生児蘇生法「専門(A)」コース修了/日本体育協会認定スポーツドクター/日本医師会認定産業医

藤巻医師

小児科医藤巻 英彦

【略歴】
平成10年 名古屋大学医学部 卒業/名古屋掖済会病院/大垣市民病院/稲沢市民病院/長野県立こども病院/トヨタ記念病院/名古屋大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター
【資格】
日本小児科学会認定専門医/日本周産期・新生児医学会認定 周産期専門医(新生児)/新生児蘇生法「専門」コースインストラクター

当院の特徴

相談

相談だけも可能です

「赤ちゃんの頭の形が気になる」といったご相談のみも受け付けております。お気軽にご予約ください。

読影

脳神経外科医による読影

撮影したレントゲンは、経験を積んだ脳神経外科医が読影いたします。

連携

脳神経外科専門医との連携

あいち小児保健医療総合センターと連携しており、頭蓋骨縫合早期癒合症の疑いのある場合など脳神経外科専門医の診療が必要な場合には、迅速に紹介させていただきます。

ヘルメット治療について

ヘルメット治療ではまず、赤ちゃん一人ひとりの頭の形に合わせたフルオーダーメイドのヘルメットを制作します。装着後、成長していない部分の成長を促し、早く成長している部分には成長を待機してもらうことで頭の形を改善していく設計です。
※ヘルメット治療は、頭に圧力をかけて形を変形させるものではありません。

治療

当院ではベビーバンドを導入しています

ベビーバンドは、赤ちゃんの頭のゆがみの治療に用いられる 日本製の頭蓋形状矯正ヘルメットです。通気性の高い構造と高機能クッションを備え、赤ちゃんの頭をやさしくつつみます。外出しやすい、かわいくおしゃれな複数のデザインを用意しています。
※ベビーバンドは2022年に医療機器として承認を取得しています。(医療機器承認番号:30400BZX00090000)

【あたまのかたち外来実施クリニック】
以下クリニックでも「あたまのかたち外来」を開設して、相談および治療を行っております。
※クリックで各ホームページが開きます。
フォレストベルクリニック小児科(名古屋市守山区)
ロイヤルベルクリニック小児科(名古屋市緑区)
セブンベルクリニック小児科(稲沢市)
エンジェルベルホスピタル小児科(岡崎市)
パークベルクリニック小児科(豊橋市)
ローズベルクリニック小児科(岐阜県可児市)
アルプスベルクリニック(岐阜県高山市)

【リスク・副作用】
本品の使用に伴い、以下の不具合・有害事象が発生する場合がございます。
・皮膚炎(発赤、ただれ)
・皮膚の損傷(水疱、剥がれ、出血等)

オーダーメイド

オーダーメイド

3Dスキャナで設計された頭のデータを元に、お一人おひとりの頭の形状にあったヘルメットを設計します。

通気性

高い通気性

通気性向上のため大きな通気孔を設けています。赤ちゃんが長時間装着しても快適に過ごせるよう通気性を考え抜いたデザインです。

清潔

清潔

クッションが簡単に着脱でき、洗濯機でネットを使用したうえで洗濯が可能です。また、ヘルメットは水洗いができるため、いつでもヘルメットを清潔に保つことができます。

対象

生後3〜4か月以降のお子様で、体位変換とタミータイムなどの指導によっても頭蓋変形が改善せず、
医師より医療説明を受けヘルメット治療を選択された方
※初回受診時にヘルメット治療を希望される方は、できるだけご両親そろっての受診をお勧めします。
※頭の形についてのご相談のみの予約も受け付けています。

ヘルメット治療料金

30万円(自費診療)※税込
※3Dスキャン撮影費用、頭蓋形状矯正ヘルメット「ベビーバンド」制作費、治療終了までの診察代(回数制限なし)を含みます。
※医療費控除対象のヘルメット治療です。医師が常に介在する治療システムのため、医療費控除の対象になります。確定申告の際に申請を行ってください。最終的に申請内容が容認されるかは各税務署の判断になりますのでご留意ください。

お支払方法について

「現金」または「Pay-easy(ペイジー)」払いとなります。

Pay-easy(ペイジー)について

「Pay-easy(ペイジー)」とは、金融機関のインターネットバンキング、ペイジー対応のATM等から支払いができるサービスのことです。当院では、金融機関のインターネットバンキングからのペイジー払いに対応しております。
※ATM支払いはご利用できません。
※支払手数料は無料です。

【既にインターネットバンキングをご利用中の方】

ペイジーは、全国ほとんどの金融機関のインターネットバンキングやATMで使えます。
対象の金融機関であるかご確認ください。

【インターネットバンキングをまだご利用でない方】

事前に金融機関にて登録・契約が必要となります。現在利用している金融機関にて、インターネットバンキングのご利用が可能かどうかは下記サイトからご確認いただけます。
ご登録方法など詳細はご利用される金融機関までお問い合わせください。

よくあるご質問

Q.
頭のゆがみ(歪み)、変形、頭の形が気になります。
A.

頭のゆがみには「斜頭症」「短頭症(絶壁頭)」「長頭症」と3つのパターンがあります。これらの原因の多くは、寝ぐせ、子宮内や産道を通るときの圧迫など、病気ではない外力によります。寝ぐせでは頭を常に同じ位置に向けて寝るために接地面の成長が抑えられてしまい、成長に偏りが出ることで頭のゆがみが発生します。
基本的に脳の成長や精神発達に大きな影響を与えることはないと言われていますが、将来的に顔面や耳の左右差が発生し、噛み合わせ、視力、眼鏡がかけにくい等の問題が発生する可能性があります。

Q.
頭の形を改善する方法はありますか?
A.

頭の形を改善する方法には「体位変換」「タミータイム」の理学療法と「ヘルメット治療」があります。重度のゆがみは、自然治癒が難しいという研究結果があります。
なお、ドーナツ枕などの矯正用枕の効果は不明です。

Q.
体位変換とは何ですか?
A.

向き癖を改善することにより頭にかかる圧力を左右均等にすることが目的です。
「寝る際の頭と足の方向」「抱っこする腕、授乳の際の方向」「話しかける方向」などが同一方向になっている際にはバランスよくなるように変えます。
寝返りができない時期の赤ちゃんは、うつ伏せ寝で呼吸ができなくなる可能性があるため、寝かせるときは必ず仰向け寝にしてください。

Q.
タミータイムとは何ですか?
A.

赤ちゃんが起きているタイミングに、赤ちゃんをうつ伏せにして過ごす方法です。
頭、首、上半身の筋肉の発達を促進して、頭部の一定の箇所への圧力がかかることを防ぎます。
お母さんの胸やお腹、膝の上に赤ちゃんをうつ伏せにすることから始め、 慣れてきたらおもちゃや絵本で興味を引き、床の上でうつ伏せ運動を行います。
窒息を回避するため、固いマットや床の上で、必ず保護者がみている環境下で、赤ちゃんが起きている状態で行ってください。泣いて嫌がったら止めてください。
1回数分から始めて、最長1回5〜10分を1日に3〜6回(目標は、1日合計30分間以上)行ってください。

Q.
ヘルメット治療について教えてください。
A.

ヘルメット治療ではまず、赤ちゃん一人ひとりの頭の形に合わせたフルオーダーメードのヘルメットを制作します。装着後、成長していない部分の成長を促し、早く成長している部分には成長を待機してもらうことで頭の形を改善していく設計です。ヘルメット治療は、頭に圧力をかけて形を変形させるものではありません。
なお、現在のところ、ヘルメット治療は、自費診療となります。費用は、各施設で異なりますので、お問い合わせください。
(註:当法人関連施設内では統一価格です)

Q.
頭がゆがんでいる気がします、自然に治るのでしょうか?
A.

低月齢で頭のゆがみが軽度の場合には緩やかにゆがみが軽減されていくことがあります。しかしながら、低月齢で重度のゆがみがある場合には、首振りや寝返りが出来るようになる前にゆがみが進行してしまうことがあります。重度のゆがみは、自然治癒が難しいという研究結果があります。

Q.
なぜ頭はゆがむのですか?
A.

一般的な要因は寝ているときの向き癖によるものとされています。まれに(0.04~0.1%程度)病気で頭がゆがんでいることがありますが、その場合には手術が必要となることもあります。

Q.
斜頭症、短頭症、長頭症とはどういう意味ですか?
A.

それぞれ、頭の形を表しています。斜頭症:頭を上から見たときに左右のどちらかが斜めに凹んでいるように見える頭の形です。短頭症:頭の横幅より奥行が短い頭の形です。長頭症:頭の横幅が狭く、奥行きが長い頭の形です。

Q.
ヘルメット治療の対象月齢はありますか?
A.

推奨月齢は3~6か月のお子様です。7か月以上のお子様は、治療期間が通常より長くなる傾向にあり、治療目標に達しない場合があります。病院によっては、10か月あるいは1歳を過ぎている赤ちゃんは、ヘルメット治療の対象としない場合もあります。(註:当院および関連施設では、10か月を過ぎたお子様のヘルメット治療はお勧めしていません)
また、ヘルメット治療における推奨月齢は、正期産のお子様の月齢となっております。早産のお子様の場合は、病院にて専門の医師へご相談ください。